年収の壁はいくら?2026年の社会保険と手取り

社会保険 公開日 / 執筆 トムシ

パートやアルバイトの収入をめぐっては、「106万円の壁」「130万円の壁」といった呼び方が続いています。2026年は、社会保険の加入要件と、所得税・住民税のラインの両方に改正が入っています。呼び方と、いまの基準は一致しないところがあります。

この記事では、日本年金機構・厚生労働省・国税庁・協会けんぽの公表資料をもとに、どのラインが何の制度なのかを分け、同じ月給で社会保険に入った場合と入らない場合の差を試算します。年末調整の手続や基礎控除の一覧そのものは、年末調整の試算にまとめてあります。こちらでは、パート・アルバイトの収入と社会保険料の関係に絞ります。

数字と制度の内容は、2026年10月27日に掲載元のページと資料で確認しました。健康保険組合の保険料率や、お住まいの市区町村の住民税は、ここにある金額と違うことがあります。

線は一つではなく、制度ごとに別々にある

いわゆる年収の壁は、税金の計算と、社会保険の加入が、別のルールで並んでいる状態です。2026年10月27日時点で、パートの給与収入(給与以外の所得がない場合)に関係する主なラインは次のとおりです。

目安の金額何のラインか2026年10月時点の状態
月額8.8万円(年収に換算すると約106万円)短時間労働者が健康保険・厚生年金に入るときの賃金要件2026年10月1日に撤廃
週20時間短時間労働者の労働時間要件。雇用保険の時間要件でもある継続
130万円未満健康保険の被扶養者・国民年金の第3号被保険者の収入基準(原則)金額は同じ。令和8年4月1日から、給与だけの人は労働契約の賃金で見込める扱いが追加
119万円以下本人の住民税(所得割)がかからない目安令和9年度(令和8年分の所得)から。均等割は市区町村による
136万円以下配偶者控除・扶養控除の対象になる合計所得62万円以下の目安令和8年12月1日施行、令和8年分から
169万円以下配偶者の所得税で、配偶者(特別)控除が38万円のままになる上限同上。136万円を超えても、169万円以下なら控除額は38万円
178万円以下本人に所得税がかからない目安同上。給与所得控除の最低74万円と基礎控除104万円を足した金額

106万円や130万円は、本人の所得税が始まる金額ではありません。所得税がかからない目安は、令和8年分・令和9年分は178万円です。住民税の所得割がかからない目安は119万円で、こちらは令和9年度の住民税から適用されます。

出典:日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」、国税庁「家族と税」、国税庁「No.2672 年末調整で配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けるとき」(2026年10月27日確認)

2026年10月1日に、月額8.8万円の要件はなくなった

日本年金機構は、令和7年年金制度改正法に基づき、短時間労働者が健康保険・厚生年金保険に入る要件のうち、賃金要件(所定内賃金が月額8.8万円以上)が2026年10月1日に撤廃された、と案内しています。これまで「年収約106万円」と呼ばれていたのは、この月額8.8万円を12か月に換算した目安です。厚生労働省の適用拡大Q&Aも、この賃金要件は2026年10月に撤廃されたため、年収約106万円を気にする必要はない、としています。

撤廃後も残る主な要件は、次のとおりです。

要件内容
労働時間週の所定労働時間が20時間以上
学生でないこと昼間学生などは対象外。休学中、定時制、通信制などは対象になる場合がある
企業規模2027年9月までは、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の企業等。令和9年10月からは36人以上に広がる
雇用の見込みフルタイムの従業員と同じく、2か月を超えて雇用される見込みがあること

週の所定労働時間は、就業規則や雇用契約で判断します。契約上は20時間未満でも、実際の労働時間が2か月連続で週20時間以上になり、その後も続く見込みなら、3か月目から加入対象になります。契約期間が2か月以内でも、更新が見込まれる場合は当初から対象になることがあります。

所定内賃金が月額8.8万円未満でも、最低賃金法の減額特例の許可を受けている人(特定減額特例対象者)は、原則として加入対象外です。本人の申し出があれば加入できます。申し出に事業主の同意は不要です。

出典:日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」、厚生労働省「適用拡大 Q&A」、日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(2026年10月27日確認)

労働時間と日数が4分の3以上なら、企業規模に関係なく加入する

短時間労働者の要件とは別に、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が、同じ事業所の通常の労働者の4分の3以上である人は、企業の規模にかかわらず健康保険・厚生年金の被保険者です。日本年金機構は、この基準を「4分の3基準」と呼んでいます。

短時間労働者として加入するのは、この4分の3基準を満たさない人のうち、特定適用事業所などで週20時間以上かつ学生でない人です。国や地方公共団体の事業所は、被保険者数にかかわらず短時間労働者が加入対象です。規模の基準に満たない企業でも、被保険者の同意に基づく事業主の申し出で「任意特定適用事業所」になると、要件を満たす短時間労働者が加入対象になります。

企業規模の「人数」は、事業所の従業員全員ではありません。日本年金機構の説明では、短時間労働者を含まない厚生年金保険の被保険者(共済組合員は含む)の総数です。法人は法人番号が同じ事業所を合計し、個人事業所は事業所ごとです。1年のうち6か月以上、基準以上になることが見込まれると特定適用事業所になります。厚生労働省の特設サイトでは、人数を「フルタイムおよびフルタイムの4分の3以上の労働時間で働く従業員の数」とも案内しています。

企業規模の広がりは、厚生労働省の事業主向けガイドブックと特設サイトでは次の時期です。あとの時期は、それより多い人数の企業を外すという意味ではありません。すでに対象の企業に、その人数の企業が加わります。

時期短時間労働者が加入対象になる規模
2027年9月まで被保険者数51人以上
2027年10月から36人以上(36〜50人が加わる)
2029年10月から21人以上(21〜35人が加わる)
2032年10月から11人以上(11〜20人が加わる)
2035年10月から10人以下の企業も対象になる

出典:日本年金機構「適用事業所と被保険者」、日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」、厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」、厚生労働省「社会保険適用拡大ガイドブック(事業主向け)」(PDF)(2026年10月27日確認)

130万円は、扶養から外れるかどうかの基準

配偶者の健康保険の被扶養者であり、国民年金の第3号被保険者である人は、自分で健康保険料と国民年金保険料を納めません。日本年金機構の案内では、年収が130万円以上になると扶養から外れ、国民年金と国民健康保険の保険料を自分で納めることになります。保障の内容そのものは、この移動だけでは変わりません。一方、週20時間以上などの要件を満たして厚生年金・健康保険に入ると、保険料の本人負担は生じますが、厚生年金の上乗せや、傷病手当金・出産手当金の対象になります。

130万円未満という金額自体は、2026年10月時点でも原則の基準です。変わったのは、収入の見込み方です。日本年金機構は、令和8年4月1日以降、給与以外の収入が見込まれない人について、労働条件通知書などの契約上の賃金(諸手当と賞与を含む)から見込まれる年間収入が130万円未満なら、原則として被扶養者として扱う、としています。契約の段階で130万円を超えていなければ、これまでの判定では超えていた人でも認定できる可能性がある、という説明です。

この扱いを使うには、被扶養者(異動)届に、労働契約の内容がわかる書類と、「給与収入のみである」旨の申立書を添付します。届の申立欄に本人が記入した場合は、申立書を別紙にしなくてもよい、とされています。次の場合は、この方法では判定できません。

  • 被扶養者になった日から見た契約期間が1年未満
  • 「シフト制による」など、労働時間が具体的に読めない
  • 「通勤手当有」など、手当の金額が読めない

60歳以上の人、または障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害がある人の基準は180万円未満です。ただし、障害年金など給与以外の収入があると、契約上の賃金だけで見る方法は使えません。被保険者の配偶者以外で19歳以上23歳未満の人は、150万円未満です。

収入の基準に加えて、同じ世帯なら被保険者の年間収入の2分の1未満であること、別世帯なら被保険者からの援助より少ないことが必要です。2分の1以上でも、被保険者の収入を上回らず、世帯の生計の中心が被保険者だと日本年金機構が認める場合は、被扶養者になることがあります。任意継続の被扶養者は、協会けんぽの案内で確認します。健康保険組合は、組合の基準で届を求めることがあります。

出典:日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」、日本年金機構「パート・アルバイトの皆さまへ、配偶者の扶養の範囲内でお勤めの皆さまへ」(2026年10月27日確認)

税金のラインは、178万円・169万円・119万円

本人の所得税と、配偶者の控除と、住民税は、それぞれ別です。国税庁の「家族と税」では、次のように整理されています。金額は令和8年12月1日から施行され、所得税は令和8年分から、住民税は令和9年度から適用されます。

パート収入が178万円以下で、ほかに所得がなければ、その人に所得税はかかりません。給与所得控除の最低保障額74万円と、基礎控除の最高104万円を引くと残らない、という計算です。178万円は令和8年分・令和9年分の金額です。基礎控除のその後の金額は、年末調整の試算で表にしています。

住民税の所得割は、総所得金額等が45万円以下なら非課税です。給与だけでほかに所得がなければ、パート収入119万円以下が目安です。119万円以下でも、市区町村によっては住民税の均等割がかかると、国税庁は注記しています。均等割の有無と金額は、市区町村に確認します。

配偶者側の控除は、パート本人の所得税とは別の話です。夫婦が生計を一にしていて、配偶者の合計所得金額が900万円以下なら、パートの給与収入が169万円以下のとき、所得税の配偶者(特別)控除は38万円です。136万円以下は配偶者控除、136万円を超え169万円以下は配偶者特別控除で、控除額は同じ38万円です。169万円を超えると、控除額は段階的に下がります。

配偶者の給与収入(給与のみ)所得税の控除額(控除を受ける人の合計所得金額が900万円以下)
136万円以下38万円(配偶者控除)
136万円超、169万円以下38万円(配偶者特別控除)
169万円超、174万円以下36万円
174万円超、179万円以下31万円
179万円超、184万円以下26万円
184万円超、189万円以下21万円
189万円超、194万円以下16万円
194万円超、199万円以下11万円
199万円超、204万円以下6万円
204万円超、207万円以下3万円
207万円超0円

控除を受ける人の合計所得金額が900万円を超えると控除額は下がり、1,000万円を超える年は配偶者控除も配偶者特別控除も受けられません。所得金額調整控除がある場合、国税庁の表にある給与収入の目安には15万円を加えます。上の38万円などは所得税の控除額です。住民税の控除額は別で、税額は税率によって変わるため、この記事では円の節税額には換算しません。申告の手続は年末調整の記事を参照してください。

配偶者以外の親族の扶養控除は、合計所得金額62万円以下(給与だけなら収入136万円以下)が要件です。配偶者特別控除のように、超えたあとも段階的に残る仕組みではありません。19歳以上23歳未満の親族には特定親族特別控除があります。金額の表は国税庁の「家族と税」にあります。

出典:国税庁「家族と税」、国税庁「No.1410 給与所得控除」、国税庁「No.1199 基礎控除」、国税庁「No.2672 年末調整で配偶者控除または配偶者特別控除の適用を受けるとき」(2026年10月27日確認)

試算の前提

ここからの金額は、次の条件を置いた架空の例です。条件が一つでも違うと、保険料も税も変わります。

  • 40歳未満とする。介護保険の第2号被保険者(40歳から64歳)の保険料は含めない
  • 賞与はなし。月額の賃金はすべて報酬月額に入り、通勤手当などの別枠はない
  • 給与以外の所得はなし。年末調整で基礎控除を受ける
  • 健康保険は協会けんぽ東京支部の令和8年3月分からの保険料額表を使う。健康保険料率は9.85%、子ども・子育て支援金率は0.23%、厚生年金保険料率は18.300%(折半額は表の金額)
  • 雇用保険は一般の事業で、労働者負担は1,000分の5(令和8年4月1日から令和9年3月31日)。週の所定労働時間20時間以上、31日以上の雇用見込みがあり、加入する例と加入しない例の両方で雇用保険には入っている
  • 社会保険に入る例は、要件を満たした状態で12か月分を納めた場合。2026年10月1日の改正で年の途中から加入した人は、加入月数で年額が変わる
  • 給与から天引きするときの端数は、保険料額表の注記どおり、50銭以下は切り捨て、50銭を超える場合は1円に切り上げる
  • 所得税は令和8年分のルールで見る。住民税の所得割の非課税ラインは、この収入にかかる令和9年度で見る
  • 国民健康保険料は市区町村ごとに違うため、金額は置かない

保険料率は都道府県で違います。東京以外の人は、協会けんぽの自分の支部の保険料額表で同じ手順を踏んでください。支援金のしくみは子ども・子育て支援金で料率ごと整理しています。

出典:協会けんぽ「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京支部)」(PDF)、厚生労働省「令和8年度の雇用保険料率」(PDF)(2026年10月27日確認)

比較表:同じ月給で、加入すると月いくらか

月給を、保険料額表の等級に当てはめます。月8.5万円は報酬月額8.3万円以上9.3万円未満なので、健康保険の標準報酬月額は8.8万円です。厚生年金は、報酬月額9.3万円未満を標準報酬月額8.8万円として読む、と表に注記があります。月9.8万円は標準報酬月額9.8万円、月11万円は標準報酬月額11万円です。

項目ケースA 月給8.5万円ケースB 月給9.8万円ケースC 月給11万円
年収(月給×12)1,020,000円1,176,000円1,320,000円
標準報酬月額(健保・年金)88,000円98,000円110,000円
健康保険料の折半額4,334.0円4,826.5円5,417.5円
天引きする健康保険料4,334円4,826円5,417円
支援金の折半額101.2円112.7円126.5円
天引きする支援金101円113円126円
厚生年金保険料の折半額8,052円8,967円10,065円
社会保険料の本人負担(月額)12,487円13,906円15,608円
社会保険料の本人負担(年額)149,844円166,872円187,296円
雇用保険料(月額)425円490円550円
雇用保険料(年額)5,100円5,880円6,600円

ケースAの月8.5万円は、2026年9月まであった「所定内賃金月額8.8万円以上」には届きません。2026年10月1日以降は、週20時間以上などで加入対象になれば、この月給でも保険料が引かれます。

雇用保険料は、月給に1,000分の5を掛けた金額です。8.5万円×0.005=425円、9.8万円×0.005=490円、11万円×0.005=550円で、いずれも1円未満は出ません。

試算:社会保険料を引いたあとの額

所得税は、3つのケースとも給与所得が基礎控除104万円より小さいため、社会保険料を引く前から0円です。給与所得は、収入から74万円を引いた金額です(令和8年分・令和9年分で、収入が74.1万円以上219.1万円未満の場合)。

ケース給与所得所得税
A 年収102万円28万円0円
B 年収117.6万円43.6万円0円
C 年収132万円58万円0円

住民税の所得割は、給与だけでほかに所得がなければ、収入119万円以下(給与所得45万円以下)は非課税です。ケースAとケースBはこの範囲です。ケースCは119万円を超えます。住民税の基礎控除は、令和9年度も最高43万円のままです。ケースCで厚生年金などに12か月入った場合、給与所得58万円から基礎控除43万円と社会保険料(187,296円+雇用保険料6,600円)を引くと残らないため、所得割は0円です。国民年金保険料215,040円を納める場合も、58万円から43万円と215,040円を引くと残らないため、所得割は0円です。

均等割と森林環境税は、非課税の判定が市区町村で違い、119万円以下でもかかることがあります。この試算には含めていません。かかる場合も、判定は給与所得で行うため、同じ年収なら「加入する・しない」で均等割の有無は基本的に同じです。手取りの差は、下の表の社会保険料の差と一致します。

項目A 加入しないA 加入するB 加入しないB 加入するC 厚生年金・健康保険C 国民年金(国保は別)
年収1,020,000円1,020,000円1,176,000円1,176,000円1,320,000円1,320,000円
社会保険料(本人)0円149,844円0円166,872円187,296円215,040円
雇用保険料5,100円5,100円5,880円5,880円6,600円6,600円
所得税0円0円0円0円0円0円
住民税の所得割非課税非課税非課税非課税0円0円
保険料を引いた額1,014,900円865,056円1,170,120円1,003,248円1,126,104円1,098,360円
加入しない場合との差—149,844円少ない—166,872円少ない——

ケースAとケースBの「加入しない」は、勤め先が短時間労働者の適用事業所ではなく、労働時間と日数も4分の3未満で、契約上の年収も130万円未満のため、配偶者の扶養に入れる場合です。適用事業所で週20時間以上なら、月8.8万円未満でも2026年10月からは加入します。そのときは「加入しない」列は選べません。

ケースAで12か月加入すると、年収102万円から社会保険料149,844円と雇用保険料5,100円を引いた額は865,056円です。扶養のままなら1,014,900円です。差は社会保険料149,844円で、年収1,020,000円の約14.7%(149,844÷1,020,000)です。ケースBの差は166,872円です。

ケースCの年収132万円は、契約上の賃金で見ても130万円以上です。扶養の収入基準は「130万円未満」なので、この契約のまま扶養に入る前提にはできません。勤め先の健康保険・厚生年金に入る場合の本人負担は年187,296円、保険料を引いた額は1,126,104円です。勤め先の規模と労働時間が加入要件を満たさず、国民年金の第1号被保険者になる場合、令和8年度の国民年金保険料は月17,920円、12か月で215,040円です。雇用保険料6,600円を合わせた221,640円を引くと1,098,360円です。この金額には国民健康保険料が入っていません。国保に入ると、ここからさらに市区町村の保険料が引かれます。

この例では、国民年金保険料だけでも年215,040円で、協会けんぽ東京の本人負担187,296円より27,744円多くなります。保険料を引いた額の差も27,744円です。国保料が加わると、差はこれより広がります。国保料の金額は市町村の通知で確認してください。第1号被保険者の保険料をまとめて納める前納の割引は、国民年金の前納に支払方法別の表があります。

出典:協会けんぽ「保険料額表(東京支部)」(PDF)、日本年金機構「国民年金保険料」、国税庁「No.1410 給与所得控除」、国税庁「家族と税」、総務省「個人住民税の基礎控除等について」(PDF)、吹田市「個人市・府民税の改正(令和9年度~)」(2026年10月27日確認)

保険料以外に変わること

日本年金機構は、厚生年金に入ると年金が基礎年金と厚生年金の2階建てになり、健康保険に入ると休業中の保障が加わる、と説明しています。傷病手当金は、業務外の病気やけがで会社を休み、給与が出ないとき、待期3日を除く4日目から、通算1年6か月を上限に支給されます。出産手当金は、出産のために会社を休んだ期間が対象です。1日あたりの金額は、標準報酬月額をもとに計算します。計算の手順は傷病手当金の期間と出産手当金の計算式は?一時金50万円との違いに、協会けんぽの式で整理してあります。将来の厚生年金の月額は加入期間と標準報酬で変わるため、この記事では円の増額を置きません。厚生労働省の適用拡大特設サイトに、年金額のシミュレーターがあります。

第3号被保険者の期間は、自分で国民年金保険料を納めなくても、保険料を納めた期間として基礎年金に反映されます。第1号になると、自分で納めた期間が反映されます。納めない期間があると、障害基礎年金や遺族基礎年金を受けられない場合があります。

第1号・第3号から厚生年金の被保険者(第2号)に変わるとき、iDeCoに入っている人は種別変更の手続が必要です。手続をしないと掛金の引き落としが止まります。国民年金基金に入っている人は、資格喪失の届が必要です。掛金の上限の改正はiDeCoの掛金上限で整理しています。

勤務先が独自に設けている配偶者手当は、法律の130万円とは別の条件であることがあります。金額も会社ごとに違います。手当の有無と収入の条件は、配偶者の勤務先の規定で確認します。

出典:日本年金機構「パート・アルバイトの皆さまへ」、厚生労働省「適用拡大 Q&A」、厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」(2026年10月27日確認)

確認しておきたいこと

  • 勤め先の厚生年金の被保険者数は51人以上か。令和9年10月以降に36人以上へ広がる対象に入るか
  • 週の所定労働時間は20時間以上か。労働時間と労働日数は、通常の労働者の4分の3以上か
  • 学生に当たるか。特定減額特例の対象か
  • 労働条件通知書の時給・時間・手当・賞与から計算した年間の賃金額は、130万円未満か
  • 契約期間は1年以上か。シフトや手当の書き方は、金額を計算できるか
  • 40歳未満か。介護保険料が加わる年齢なら、保険料額表の「介護保険第2号被保険者に該当する場合」の列を使う
  • 協会けんぽか、健康保険組合か。組合の場合は料率が違う
  • 給与以外に年金や失業給付などの収入があるか。ある場合、契約上の賃金だけで130万円を判定する扱いは使えない
  • iDeCoや国民年金基金に入っているか。加入区分が変わるときは手続が必要か
  • 配偶者の勤務先に、独自の収入条件がある配偶者手当がないか

まとめ

2026年10月1日以降、短時間労働者が健康保険・厚生年金に入るかどうかは、月額8.8万円(年収約106万円)では決まりません。週20時間以上、学生でないこと、勤め先の規模、2か月を超える雇用の見込みで判断します。130万円未満は、扶養に入れるかどうかの基準として残っていて、令和8年4月1日からは、給与だけの人は労働契約の賃金で見込めるようになりました。

所得税がかからない目安は、給与だけでほかに所得がなければ178万円以下(令和8年分・令和9年分)です。配偶者の所得税の控除額38万円は、169万円以下まで続きます。住民税の所得割がかからない目安は119万円以下で、適用は令和9年度からです。

協会けんぽ東京・40歳未満・賞与なしという前提では、月給8.5万円で12か月加入すると社会保険料は年149,844円、月給9.8万円では年166,872円でした。同じ月給で扶養のままの場合との差は、この保険料の分です。年収132万円で勤め先の社会保険に入らない場合は、国民年金保険料だけでも年215,040円で、この例の厚生年金・健康保険の本人負担より大きく、さらに国民健康保険料がかかります。個別の加入の有無は、勤務先と年金事務所、被扶養者の認定は加入している保険者に確認してください。

よくある質問

106万円の壁は2026年10月以降もありますか

月額8.8万円の賃金要件は2026年10月1日に撤廃されています。年収約106万円を気にする必要はない、という厚生労働省の案内を記事で引いています。

130万円は何のラインですか

配偶者の健康保険の被扶養者から外れるかどうかの基準です。所得税が始まる金額ではありません。所得税がかからない目安は、給与だけでほかに所得がなければ178万円以下です。

厚生年金に入ると保険料だけが増えますか

保険料の本人負担は生じます。一方で、年金は基礎と厚生の2階建てになり、健康保険では傷病手当金や出産手当金の対象が加わります。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の商品・サービスの購入や投資を勧めるものではありません。制度や料金は変更されることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。