子ども・子育て支援金は月いくら?料率0.23%の試算
給与明細や国民健康保険料の通知に、「子ども・子育て支援金」という項目が出るようになりました。2026年(令和8年)4月分から、医療保険料とあわせて納める仕組みです。金額は加入している医療保険と所得で決まり、自分で申告して納める税金ではありません。
この記事では、こども家庭庁と全国健康保険協会(協会けんぽ)の公表資料をもとに、誰がいくら納めるのかを比較表と試算で整理します。個別の金額は、加入している保険者やお住まいの市町村の通知で確認してください。数字は2026年10月23日に、掲載元のページと資料で確認しました。
いつから、誰が納めるのか
こども家庭庁によると、子ども・子育て支援金は、子育て施策の拡充に充てるため、医療保険の加入者から拠出を受ける仕組みです。こども未来戦略「加速化プラン」(総額3.6兆円)の財源の一部と位置づけられています。
会社員など被用者保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)の令和8年度の支援金率は、全国一律で0.23%です。支援金額は「標準報酬月額×0.23%」で、基本的に半分は事業主が負担します。本人の負担は、給与明細の標準報酬月額に0.0023を掛けた額の半分です。こども家庭庁は、令和8年4月分の保険料からで、給与からの天引きは5月からと案内しています。賞与(標準賞与額)にも同じ料率がかかります。
国民健康保険と後期高齢者医療制度は、事業主との折半はありません。金額は市町村や広域連合の条例で、所得などに応じて決まります。徴収が始まる時期は保険者によって異なるため、通知書か窓口での確認が確実です。
子育て中の世帯も、子どものいない人も、対象の医療保険に加入していれば納めます。こども家庭庁は、子どもが成長して社会保障制度の担い手になることから、全世代と企業で支える仕組みだと説明しています。
出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」、被用者保険加入者向けリーフレット(PDF)、協会けんぽ「子ども・子育て支援金率について」(2026年10月23日確認)
支援金が充てられる主な施策
リーフレットでは、充て先の例として次の6つが示されています。すでに始まっているものと、2026年度から全国で実施されるものがあります。
| 施策 | リーフレットにある内容 | 開始の目安 |
|---|---|---|
| 児童手当の拡充 | 所得制限の撤廃、高校生年代まで延長、第3子以降は1人月3万円、偶数月の年6回払い | 2024年10月分から |
| 妊婦のための支援給付 | 妊娠届出時に5万円、妊娠後期以降に妊娠している子どもの数×5万円 | 2025年度から |
| 出生後休業支援給付 | 両親が一定期間に育休を取った場合などに、最大28日間、手取り10割相当 | 2025年度から |
| 育児時短就業給付 | 子どもが2歳未満の期間の時短勤務で、時短勤務時の賃金の原則10% | 2025年度から |
| こども誰でも通園制度(こども家庭庁の資料にある制度名) | 保育所等に通っていない0歳6か月から満3歳未満が、月10時間まで利用 | 2026年度から全国実施 |
| 育児期間中の国民年金保険料免除 | 国民年金の第1号被保険者が対象 | 2026年10月分から |
児童手当の支給額は児童手当の支給額で家族構成別に試算しています。出生後休業支援給付金の計算は育児休業給付金の給付率にまとめています。
妊婦のための支援給付は、健康保険の出産育児一時金(原則1児50万円)とは別の給付です。出産費用と産休中の収入の整理は出産手当金の計算を参照してください。第1号被保険者の保険料そのものの金額は国民年金の前納で確認できます。育児期間の免除の対象期間や届出は、日本年金機構の案内で確認してください。
出典:こども家庭庁「被用者保険加入者向けリーフレット」(PDF)(2026年10月23日確認)
加入先で違う3つの計算(比較表)
| 項目 | 被用者保険(協会けんぽ・健保組合・共済) | 国民健康保険 | 後期高齢者医療 |
|---|---|---|---|
| 令和8年度の料率 | 全国一律0.23% | 市町村の条例で異なる | 広域連合の条例で異なる |
| 本人の負担 | 計算額の2分の1(残りは事業主) | 被保険者側が負担(労使折半なし) | 被保険者側が負担 |
| 計算の土台 | 標準報酬月額と標準賞与額 | 世帯の所得など | 個人の所得など |
| 子どもの扱い | 被保険者の報酬で計算 | 高校生年代までの均等割は全額軽減 | 所得などに応じた軽減あり |
| 開始 | 2026年4月分(給与天引きは5月が基本の案内) | 2026年4月分。時期は市町村に確認 | 2026年4月分。時期は広域連合に確認 |
協会けんぽの任意継続被保険者と日雇特例被保険者は、同じ0.23%が令和8年4月分(4月納付分)から適用されます。任意継続の標準報酬月額の上限は、令和8年度は32万円です。納める額は、届いた納付書で確認してください。
名前が似ている「子ども・子育て拠出金」は別のものです。協会けんぽの保険料額表では、拠出金率0.36%で、事業主が負担し、被保険者の負担はないとされています。給与から引かれる支援金とは足し合わせません。
出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」、国民健康保険・後期高齢者医療制度加入者向けリーフレット(PDF)、協会けんぽ「子ども・子育て支援金率について」、協会けんぽ東京支部「令和8年3月分(4月納付分)からの保険料額表」(PDF)(2026年10月23日確認)
会社員の月額は「標準報酬月額」で決まる
標準報酬月額は、額面の給与そのものではなく、報酬を区切って当てはめた等級の金額です。残業が少ない月でも、等級が同じなら支援金の月額は変わりません。40歳以上の介護保険料とは別の計算で、介護保険の対象かどうかで支援金率は変わりません。
協会けんぽ東京支部の保険料額表(子ども・子育て支援金率は令和8年4月分、5月納付分から)から、本人負担が1円単位になる等級を抜き出しました。他の支部でも支援金率は0.23%で、同じ標準報酬月額なら支援金の額は同じです。健康保険料率は支部ごとに違います。
| 標準報酬月額 | 報酬月額 | 支援金の全額 | 本人負担 | 賞与がない場合の年額 |
|---|---|---|---|---|
| 20万円 | 19.5万円以上21万円未満 | 460円 | 230円 | 2,760円 |
| 26万円 | 25万円以上27万円未満 | 598円 | 299円 | 3,588円 |
| 30万円 | 29万円以上31万円未満 | 690円 | 345円 | 4,140円 |
| 36万円 | 35万円以上37万円未満 | 828円 | 414円 | 4,968円 |
| 44万円 | 42.5万円以上45.5万円未満 | 1,012円 | 506円 | 6,072円 |
| 50万円 | 48.5万円以上51.5万円未満 | 1,150円 | 575円 | 6,900円 |
年額の列は、本人負担の月額を12倍した計算です。賞与は入っていません。保険料額表には、折半額が0.5円になる等級もあります。その等級の給与天引きは、勤務先の端数処理で1円前後することがあります。
同じ表では、標準報酬月額30万円の本人負担は、介護保険に加入していない場合の健康保険料が14,775円、支援金が345円です。この健康保険料は東京支部の料率(9.85%)による額なので、他の都道府県には当てはまりません。支援金の345円は、30万円×0.23%÷2です。
出典:協会けんぽ東京支部「令和8年3月分(4月納付分)からの保険料額表」(PDF)(2026年10月23日確認)
試算例:標準報酬月額30万円で、賞与が年2回ある場合
次の例は、協会けんぽの保険料額表と、こども家庭庁が示している計算(標準報酬月額または標準賞与額×0.23%、本人はその半分)を組み合わせたものです。協会けんぽの保険料額表では、賞与は1,000円未満を切り捨てた額が標準賞与額になり、支援金の標準賞与額の上限は毎年4月1日から翌年3月31日までの累計で573万円です。下の例の60万円は、切り捨てが発生せず、この上限にも届きません。
| 項目 | 計算 | 本人負担 |
|---|---|---|
| 毎月の支援金 | 30万円×0.23%=690円。折半 | 345円 |
| 月額の年合計 | 345円×12か月 | 4,140円 |
| 賞与1回 | 標準賞与額60万円×0.23%=1,380円。折半 | 690円 |
| 賞与2回の合計 | 690円×2回 | 1,380円 |
| 年合計 | 4,140円+1,380円 | 5,520円 |
事業主も同じ5,520円を負担する計算です。年収に当たる標準報酬の合計は、30万円×12か月+60万円×2回=480万円です。480万円×0.23%×1/2=5,520円で、上の合計と一致します。
賞与がなければ、この人の本人負担は年4,140円です。賞与の標準賞与額が変わると、月額の345円はそのままで、賞与の回だけ金額が動きます。
年収別の目安(被用者保険の試算)
こども家庭庁は、被用者保険の令和8年度について、年収(標準報酬の総額。毎月の給与と賞与の合計)別の本人負担を試算しています。計算は「年収×0.23%÷12×1/2」で、月額は1円単位で示されています。協会けんぽ、健康保険組合、共済組合で共通です。
| 年収(標準報酬総額) | 公表されている月額 | 計算式どおりの年額 |
|---|---|---|
| 200万円 | 192円 | 2,300円 |
| 400万円 | 384円 | 4,600円 |
| 600万円 | 575円 | 6,900円 |
| 800万円 | 767円 | 9,200円 |
| 1,000万円 | 959円 | 11,500円 |
年額は「年収×0.23%×1/2」です。月額の列は、その年額を12で割って1円単位にしたものです。たとえば200万円の行は、2,300円÷12=191.666…円を192円と示しています。192円×12=2,304円になり、計算式の年額2,300円とは端数の差が出ます。給与明細の毎月の天引き額は、こちらの月額ではなく、前の節の標準報酬月額の表で確認してください。
同じ資料では、医療保険の加入者1人あたりの本人負担(事業主負担を除き、50円単位)の平均を、令和8年度250円、令和9年度の見込み350円、令和10年度の見込み450円としています。一定の仮定に基づく試算で、幅をもって見る必要があると注記されています。令和8年度の料率0.23%が、その後も同じとは限りません。
出典:こども家庭庁「医療保険制度ごとの年収別試算」(PDF)、こども家庭庁「子ども・子育て支援金に関する試算」(PDF)(2026年10月23日確認)
国民健康保険・後期高齢者医療のモデル試算
国民健康保険の表は、夫婦と子のいる世帯で、夫婦のどちらか一方だけに給与収入がある場合のモデルです。月額は50円単位です。高校生年代(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)の子どもの均等割は全額軽減されるため、この試算では子どもの人数が変わっても金額は変わりません。低所得の人には、医療保険料と同様の軽減があります。
| 年収 | 1世帯あたりの月額 | 月額を12倍した参考 |
|---|---|---|
| 80万円 | 50円 | 600円 |
| 100万円 | 50円 | 600円 |
| 150万円 | 250円 | 3,000円 |
| 200万円 | 400円 | 4,800円 |
| 250万円 | 550円 | 6,600円 |
| 300万円 | 650円 | 7,800円 |
後期高齢者医療制度の表は、年金収入だけの単身世帯のモデルです。
| 年金収入 | 1人あたりの月額 | 月額を12倍した参考 |
|---|---|---|
| 80万円 | 50円 | 600円 |
| 100万円 | 50円 | 600円 |
| 125万円 | 50円 | 600円 |
| 150万円 | 50円 | 600円 |
| 175万円 | 100円 | 1,200円 |
| 200万円 | 200円 | 2,400円 |
どちらも、こども家庭庁が「一定の仮定で行ったモデル試算」と明記しています。実際の金額は条例で決まるため、納付書の額と表が一致しないことがあります。表にない年収は、この表から比例計算せず、自治体の通知で確認してください。
出典:こども家庭庁「医療保険制度ごとの年収別試算」(PDF)(2026年10月23日確認)
明細に欄がない場合と、休んでいる間の免除
事業主向けの資料では、給与明細に支援金の内訳を書くことは法令上の義務ではないとされています。健康保険料の欄に含まれていて、別の行がない会社もあります。明細の健康保険料が以前より増えて見えても、その差の全部が支援金とは限りません。健康保険料率や介護保険料率は、支援金とは別に改定されます。
会社員については、産休中と育休中は、医療保険料や厚生年金保険料と同じように支援金も免除されると、こども家庭庁が案内しています。産休中の保険料免除の手続きは出産手当金の計算で整理しています。免除になっているかは、休業中の給与明細で確認できます。
年収別試算の資料には、社会保障の歳出改革などで支援金の負担は相殺され、導入に伴う実質的な負担は生じない、という政府の説明が注記されています。これは、支援金の納付そのものが不要になるという意味ではありません。支援金は医療保険料とあわせて納めます。全体の社会保険料が前の年と同じかどうかは、料率改定と収入によって変わります。
問い合わせ先として、こども家庭庁はコールセンター(0120-303-272、9時から18時、日曜と祝日を除く)を案内しています。
出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度のQ&A」、事業主向けリーフレット(PDF)、こども家庭庁「医療保険制度ごとの年収別試算」(PDF)(2026年10月23日確認)
明細と通知を見るときのチェックリスト
- 加入しているのは協会けんぽ、健康保険組合、共済、国民健康保険、後期高齢者医療のどれかを確認したか
- 給与明細の標準報酬月額(または等級)を見て、保険料額表の本人負担と照らし合わせたか
- 「子ども・子育て支援金」の行があるか。ない場合は健康保険料に含まれていないかを勤務先に確認したか
- 賞与明細でも、標準賞与額に0.23%の半分が引かれているかを見たか
- 産休・育休中なら、支援金を含む保険料の免除が反映されているかを確認したか
- 国民健康保険・後期高齢者医療なら、納付書の金額を自治体の説明と照合したか(表のモデル額と違ってよい)
- 国民健康保険で、高校生年代までの子どもの均等割が全額軽減になっているかを確認したか
- 納めた支援金の充て先のうち、児童手当や出生後休業支援給付金など、自分の世帯が受け取る手続きを済ませているかを確認したか
まとめ
令和8年度の子ども・子育て支援金は、会社員なら標準報酬月額の0.23%を労使で半分ずつ負担します。標準報酬月額30万円なら本人負担は月345円、賞与がなければ年4,140円です。標準賞与額60万円が年2回ある計算例では、本人負担の年合計は5,520円でした。国民健康保険と後期高齢者医療は所得に応じたモデル試算が公表されていますが、実際の額は条例で決まります。
天引きの額を一度確認しておくと、手取りの見込みが立てやすくなります。毎月の支出全体の整え方は固定費の見直し順も参考にしてください。支援金で自分の世帯が受けられる給付は、加入先の医療保険とは別に申請が必要なものがあります。
よくある質問
子ども・子育て支援金は誰が納めますか
医療保険の加入者から拠出します。会社員など被用者保険の令和8年度の支援金率は全国一律0.23%で、本人負担は標準報酬月額に0.23%を掛けた額の半分が基本です。
標準報酬月額30万円なら月いくらですか
記事のまとめでは、本人負担は月345円、賞与がなければ年4,140円です。賞与があると年合計は変わります。
明細に欄がないときは支援金がないのですか
給与明細に内訳を書くことは法令上の義務ではない、と事業主向け資料にあります。健康保険料の欄に含まれている会社もあります。