地震保険の保険料はいくら?都道府県と割引の差

保険 公開日 / 執筆 トムシ

火災保険の更新案内が届いたとき、「地震保険はつけたままでいいのか」「いくら払っているのか」が気になる人は多いと思います。地震保険は、火災保険だけでは補償されない地震・噴火・津波による損害に備える保険です。一方で、保険料は住んでいる地域や建物の構造によって数倍の差があり、割引や契約期間の選び方でも負担が変わります。

この記事では、財務省と日本損害保険協会の公表資料をもとに、保険料の決まり方を比較表で整理し、家族構成や住まいの例で年間の保険料と税金の控除を試算します。最後に、見直しのときに確認したいチェックリストも載せています。

地震保険の基本:火災保険とセットで入る

財務省によると、地震保険の対象は居住用の建物(マンションの共用部分を含む)と家財です。火災保険では、地震が原因の火災による損害や、地震で燃え広がった損害は補償されません。

地震保険は単独では入れず、火災保険に付帯する形で契約します。すでに火災保険に入っている人も、契約期間の途中から地震保険を追加できます。賃貸住宅に住んでいる人は、建物は大家さんしか契約できませんが、家財だけで加入することは可能です。

保険金額は、火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で決めます。上限は建物5,000万円、家財1,000万円です。つまり、地震保険だけで家を建て直せる金額が出るわけではなく、被災後の生活再建を支えるための保険と位置づけられています。

出典:財務省「地震保険制度の概要」、財務省「被災後の生活再建を支える『地震保険』」(PDF)

年間保険料の比較表(保険金額1,000万円あたり)

保険料は、建物の所在地(都道府県)と構造で決まります。財務省の資料に載っている、割引なし・保険金額1,000万円あたりの年間保険料(2022年10月1日以降に始まる契約)は次のとおりです。

区分主な都道府県イ構造(鉄骨・コンクリート造)ロ構造(木造)
1等地北海道、京都、兵庫、広島、福岡など28道府県7,300円11,200円
2等地宮城、愛知、大阪、沖縄など11府県11,600円19,500円
3等地茨城、徳島、高知23,000円41,100円
3等地埼玉26,500円41,100円
3等地千葉、東京、神奈川、静岡27,500円41,100円

同じ1,000万円の補償でも、福岡の鉄筋コンクリートのマンションなら年7,300円、東京の木造一戸建てなら年41,100円と、5倍以上の差があります。各都道府県の区分は出典の資料で確認できます。日本損害保険協会は、地震保険の保険料には民間損害保険会社の利潤が含まれていないと説明しています。

出典:財務省「被災後の生活再建を支える『地震保険』」(PDF)、日本損害保険協会「地震保険FAQ」

割引は4種類、最大50%

建物の耐震性能や建築年に応じて、次の割引があります。重複しては使えず、適用には確認資料の提出が必要です。

割引の種類主な条件割引率
免震建築物割引品確法にもとづく免震建築物50%
耐震等級割引耐震等級3/2/150%/30%/10%
耐震診断割引耐震診断・耐震改修の結果、1981年6月1日施行の耐震基準を満たす10%
建築年割引1981年6月1日以降に新築された建物10%

建築年割引は条件がわかりやすい一方で、契約時に申告していないと適用されていないこともあります。更新のときに、契約内容の「割引」の欄を一度確認しておくと安心です。

出典:財務省「地震保険制度の概要」、日本損害保険協会「地震保険の保険料」

試算例:住まい別の年間保険料と、割引・長期契約の効果

ここでは、架空の2つの家庭で、上の表をもとに年間保険料の目安を計算します。実際の保険料は保険会社の端数処理などで少し変わることがあります。

項目ケースA:東京・木造一戸建てケースB:大阪・鉄筋コンクリートのマンション
地震保険の保険金額(建物)1,000万円1,000万円
地震保険の保険金額(家財)250万円500万円
1,000万円あたりの年間保険料41,100円(3等地・ロ構造)11,600円(2等地・イ構造)
年間保険料(割引なし)51,375円17,400円
建築年割引(10%)の場合約46,200円約15,700円
耐震等級3(50%)の場合約25,700円約8,700円

ケースAの計算は、41,100円×1.0(建物)+41,100円×0.25(家財)です。同じ建物でも、耐震等級3の割引が使えるかどうかで年間約2万6,000円の差になります。

保険期間は1年の短期と、2〜5年の長期があります。長期契約の保険料は、1年分の保険料に長期係数(2年1.90、3年2.85、4年3.75、5年4.70)をかけて計算します。ケースAを割引なしで5年契約にすると、51,375円×4.70=約241,500円です。1年契約を5回くり返す場合の256,875円と比べると、約1万5,000円少なくなります。ただし、まとまった金額を先に払うことになるため、手元資金とのバランスで選びましょう。

出典:財務省「地震保険制度の概要」

地震保険料控除で税金も軽くなる

払った地震保険料は、所得税と住民税の控除の対象です。控除額は、所得税が地震保険料の全額(最高5万円)、住民税が地震保険料の2分の1(最高2万5,000円)です。

ケースAで割引なしの年51,375円を払っている場合、所得税の控除は5万円、住民税の控除は2万5,000円になります。所得税率が10%の人なら所得税は約5,100円(復興特別所得税を含む)、住民税(所得割の標準税率10%)は約2,500円軽くなり、合計で年約7,600円の目安です。会社員は年末調整で控除を受けられるので、保険会社から届く控除証明書を勤務先に出し忘れないようにしましょう。年末調整の流れは年末調整の試算で整理しています。

出典:日本損害保険協会「地震保険の保険料」、財務省「地震保険制度の概要」

保険金はいくら出る?損害区分ごとの支払額

2017年1月1日以降に始まった契約では、損害の程度に応じて4段階で保険金が支払われます。地震保険の保険金額が建物1,000万円の場合の例です(時価額が上限)。

損害区分支払割合保険金額1,000万円の場合
全損100%1,000万円
大半損60%600万円
小半損30%300万円
一部損5%50万円

一部損でも50万円が出るため、当面の修理費や引っ越し費用の足しになります。財務省の資料では、保険金の使い道は決められておらず、住宅の再建やローンの返済、当面の生活費などに幅広く使えるとされています。なお、地震の発生日の翌日から10日を過ぎて生じた損害は支払いの対象外です。

いざというときに当面の生活費をどこまで自分でまかなえるかは、生活防衛資金の試算もあわせて考えておくと、地震保険の金額を決めやすくなります。

出典:財務省「地震保険制度の概要」、財務省「被災後の生活再建を支える『地震保険』」(PDF)

見直しのときのチェックリスト

  • 火災保険に地震保険がついているか(付帯していない場合、途中から追加できるか)
  • 地震保険の保険金額は、火災保険の何%に設定しているか(30〜50%の範囲)
  • 家財の地震保険にも入っているか(賃貸の人は家財のみで加入できる)
  • 建物の構造(イ構造・ロ構造)の区分が正しいか
  • 建築年割引・耐震等級割引などの対象なのに、確認資料を出していないことはないか
  • 1年契約と長期契約のどちらが家計に合っているか
  • 地震保険料控除の証明書を、年末調整や確定申告で使ったか

まとめ

地震保険の保険料は、同じ1,000万円の補償でも地域と構造で年7,300円から41,100円まで差があります。割引の申告もれがないか、契約期間が家計に合っているか、地震保険料控除を受けているかを確認するだけでも、実質的な負担を抑えられる場合があります。

保険の見直しは、自動車保険の見直しなどとまとめて進めると効率的です。家計全体の進め方は固定費の見直し順も参考にしてください。補償の内容や個別の保険料は、契約している損害保険会社や代理店で確認できます。この記事は一般的な情報の整理で、特定の保険への加入をすすめるものではありません。

よくある質問

地震保険の保険料は何で決まりますか

建物の所在地である都道府県と、構造です。単独では入れず、火災保険に付帯します。

割引は重ねられますか

耐震や建築年の割引は4種類で、重複しては使えません。確認資料の提出が必要です。

地震保険料は所得控除になりますか

なります。所得税は全額で最高5万円、住民税は2分の1で最高2万5,000円です。通常の火災保険料とは別です。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の商品・サービスの購入や投資を勧めるものではありません。制度や料金は変更されることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。