火災保険の保険料はどう決まる?水災と支払方法
火災保険の更新案内が届くと、保険料が前回と違う、水災を外すと安くなる、5年一括と毎年払いで総額が違う、といった案内をまとめて見ることになる家庭が多いと思います。火災保険は、火災だけでなく風水災や盗難などを補償する商品が一般的ですが、どの危険を契約に含めるかは商品ごとに違います。地震・噴火・津波は、火災保険だけでは補償されません。
この記事では、補償の選び方、水災を外す前に見る公的な地図、参考純率の改定、保険期間と支払方法の違いを、損害保険料率算出機構・日本損害保険協会・国税庁などの資料で整理します。保険料の円額は保険会社が決めるため、ここでは公表されている割合を、条件を明記した仮定の金額に当てはめて試算します。地震保険の都道府県別保険料、割引、長期係数、地震保険料控除の計算は地震保険の保険料に譲り、ここでは火災保険側の確認点に絞ります。
数字と制度の内容は、2026年10月25日に掲載元の資料で確認しました。同日、損害保険料率算出機構のウェブサイトは緊急メンテナンスのため本文を直接開けない状態でした。参考純率と水災の較差は、同機構が2023年6月に公表したPDFと、2026年4月発行の『2025年度 火災保険・地震保険の概況』の記載で確認しています。水災等地検索の説明は、2026年4月16日時点の公開ページの記録で確認しました。
補償範囲は商品で違う。地震の損害は別契約
日本損害保険協会は、火災保険を「火災だけではなく、風水災などの自然災害や、盗難などによって、建物や家財に生じた損害を補償する保険」と説明しています。ただし、風災・ひょう災・雪災や水災がどこまで支払対象になるかは、保険の種類で異なります。
契約は、建物と家財でそれぞれ保険金額を決めます。賃貸住宅では、建物は家主(所有者)が契約し、家財は入居者が自分で契約します。建物だけの契約では、家財の損害は補償されません。
協会が挙げる、補償の対象になり得る主な項目は次のとおりです。すべてがすべての商品に最初から入っているわけではなく、一定の制限が付く場合もあります。
| 区分 | 主な項目 |
|---|---|
| 損害保険金 | 火災、落雷、破裂・爆発。風災・ひょう災・雪災。外部からの物体の落下・飛来・衝突。水濡れ。盗難。水災。不測かつ突発的な事故による破損・汚損 など |
| 費用保険金 | 損害防止費用、災害時の臨時費用、残存物の取片づけ費用、失火見舞費用、地震火災費用 など |
支払われない主な事由として、協会は、故意・重大な過失、戦争・暴動、地震・噴火またはこれらによる津波、家財が屋外にある間の盗難、自然の消耗や劣化などを挙げています。
地震で建物が壊れたり、地震を原因とする火災で焼けたり、津波で流されたりした損害は、火災保険では引き受けていません。地震に備えるには、火災保険に地震保険を付けます。火災保険の契約途中からでも付けられます。保険料の水準や、保険金額を火災保険の30〜50%にするルールは、地震保険の記事で表にしています。
一方で、火災保険には「地震火災費用」という費用保険金がある商品があります。協会の説明では、これは損害そのものの補償ではなく、地震等に伴う火災で建物が半焼以上になった場合に、お見舞金的に支払われる例(保険金額の5%、1回の事故につき300万円限度など)です。家財が対象のときは、家財を収容する建物が半焼以上か、家財が全焼になった場合、とされています。地震による倒壊や津波の損害を、この費用保険金でまかなう仕組みではありません。
出典:日本損害保険協会「すまいの保険について」、同「問50 火災保険は、どのような保険ですか」、同「問51 どの種類の火災保険でも、補償される範囲は同じですか」(2026年10月25日確認)
保険料は構造・所在地・保険金額で変わる
損害保険料率算出機構は、契約者が保険会社に払う火災保険料が、建物の構造や所在地など個々のリスクの差に応じたものになるよう、料率区分を設けていると説明しています。保険料率は、保険金の支払いに充てる「純保険料率」と、事業経費などに充てる「付加保険料率」に分かれます。機構が会員保険会社に提供するのは、純保険料率の参考数値である「参考純率」です。参考純率をそのまま使うか、修正して使うか、使わずに自社で計算するかは保険会社の判断です。付加保険料率は保険会社が独自に算出します。参考純率そのものは開示されていません。
保険料は保険金額に比例します。機構の『2025年度 火災保険・地震保険の概況』(2026年4月発行)は、比例の関係を次の例で示しています。これは実際の料率ではなく、計算の仕組みを示す例です。
| 保険料率(説明のための例) | 保険金額 | 保険料 |
|---|---|---|
| 0.003 | 1,000万円 | 3万円 |
| 0.003 | 2,000万円 | 6万円 |
同じ料率なら、保険金額が2倍になると保険料も2倍です。土地の購入代金を建物の保険金額に混ぜると、建物の評価からずれます。
構造級別
建物の構造によって燃えやすさが違うため、保険料も違います。日本損害保険協会は、住宅物件の構造級別のイメージを次のように整理しています。木造でも、建築基準法の耐火建築物などに当たればM構造やT構造になることがあります。
| 構造級別 | 保険料のイメージ | 具体例(住宅物件) |
|---|---|---|
| M構造 | 3区分のなかでは安い側 | コンクリート造の共同住宅 など |
| T構造 | 中間 | コンクリート造の戸建住宅(耐火建築物)、鉄骨造の戸建住宅(準耐火建築物)、省令準耐火のツーバイフォー住宅 など |
| H構造 | 3区分のなかでは高い側 | 木造の共同住宅や戸建住宅 など |
機構の2023年6月の改定資料では、M構造を耐火構造(鉄筋コンクリート造等)の共同住宅、T構造をM構造以外の耐火構造と準耐火構造(鉄骨造等)、H構造をM・T以外(木造等)としています。契約上の区分は、建築確認の書類や設計仕様書で確認します。
保険金額は再調達価額が基本
協会によると、保険金額は評価額を基準に設定します。評価には、同等の建物をいま再築・再購入する金額を基にする再調達価額(新価)と、そこから経年の消耗分を引いた時価額があります。現在は、再調達価額で設定する契約が一般的です。時価額だけだと、保険金で同じ建物を建て直せないことがあります。
新築なら、建築価額が再調達価額の基になります。不動産の購入価額には土地代が含まれるため、土地代は除きます。築年が分かる場合は、建築価額に年次別指数(建築費倍率)を掛ける方法があります。家財は、一つずつ積み上げる方法のほか、世帯主の年齢や家族構成から平均的な評価額を使う簡便な方法もあります。評価額は時間とともに変わるため、更新時にも保険金額を見直す余地があります。
出典:損害保険料率算出機構「火災保険参考純率」、同「2025年度 火災保険・地震保険の概況」(PDF)、日本損害保険協会「問58 構造級別」、同「問55 保険金額」(2026年10月25日確認)
参考純率の改定。直近の届出は2023年6月
機構は、参考純率が適正かどうかを毎年度検証し、必要なら金融庁長官に改定を届け出ます。『2025年度 火災保険・地震保険の概況』は、火災保険の直近の届出は2023年6月だと記載しています。2024年以降に新しい届出があった、という記載はこの概況にはありません。採用するか、いつ販売に反映するかは保険会社が決めます。したがって、次の改定率は、更新案内の値上げ率そのものではありません。
近年の届出で、この記事の見直しに関係する点は次の2つです。
- 2021年5月21日届出(同年6月16日に適合性審査の通知)。住宅総合保険の参考純率を全国平均で10.9%引き上げ。自然災害の長期的なリスク評価が難しくなったとして、参考純率を適用できる期間を、それまでの最長10年から最長5年としました。
- 2023年6月21日届出(同年6月28日に適合性審査の通知)。住宅総合保険の参考純率を全国平均で13.0%引き上げ。水災の料率を、建物の所在地の市区町村ごとに、保険料が最も安い1等地から最も高い5等地までの5区分に細分化しました。
10.9%も13.0%も、都道府県・構造・築年数・補償内容などすべての契約条件の改定率を平均した数字です。条件が違えば改定率は違います。参考純率の適用期間を最長5年にしたことは、すべての火災保険商品の契約期間が法律で5年まで、という意味ではありません。選べる保険期間は商品によります。概況は、2023年度に5年を超える保険期間の新規契約が減ったことが、保険料計上額の減少要因の一つだと説明しています。
改定率の例(建物2,000万円・家財1,000万円・築10年以上)
2023年6月28日付の改定のご案内は、上の保険金額と築年数を条件に、三大都市圏で契約件数の多い都府県と、水災料率を細分化した後の改定率が最大・最小になる都県を例示しています。範囲は1等地から5等地です。同じ都道府県でも市区町村で改定率は違います。引上げ幅を抑える措置を講じている、とも記載されています。
| 構造 | 都道府県 | 資料上の位置づけ | 水準改定のみ | 水災細分化後(1等地〜5等地) |
|---|---|---|---|---|
| M構造 | 東京都 | 三大都市圏 | +10.4% | +4.3%〜+20.2% |
| M構造 | 大阪府 | 三大都市圏 | +16.9% | +11.6%〜+25.9% |
| M構造 | 愛知県 | 三大都市圏 | +13.7% | +7.6%〜+23.6% |
| M構造 | 宮崎県 | 細分化後が最大の例 | +23.9% | +20.4%〜+29.9% |
| M構造 | 香川県 | 細分化後が最小の例 | +10.5% | +3.7%〜+21.3% |
| T構造 | 東京都 | 三大都市圏 | +13.3% | +5.2%〜+26.8% |
| T構造 | 大阪府 | 三大都市圏 | +21.5% | +14.9%〜+32.6% |
| T構造 | 愛知県 | 三大都市圏 | +14.8% | +7.2%〜+27.2% |
| T構造 | 群馬県 | 細分化後が最大の例 | +23.2% | +16.9%〜+33.6% |
| T構造 | 山形県 | 細分化後が最小の例 | +9.2% | +3.7%〜+18.4% |
| H構造 | 東京都 | 三大都市圏。細分化後が最小の例 | +6.3% | ▲1.3%〜+19.0% |
| H構造 | 大阪府 | 三大都市圏 | +17.3% | +11.4%〜+27.1% |
| H構造 | 愛知県 | 三大都市圏 | +8.9% | +1.9%〜+20.6% |
| H構造 | 群馬県 | 細分化後が最大の例 | +18.1% | +12.3%〜+27.7% |
H構造の東京都は、水準改定だけを見ると+6.3%ですが、水災を細分化したあとの下限は▲1.3%です。市区町村によっては、参考純率の改定率がマイナスになる例が資料にあります。繰り返しになりますが、これは参考純率の改定率であり、契約中の保険料が同じ割合で下がる、または上がる、という発表ではありません。
出典:損害保険料率算出機構「火災保険参考純率 改定のご案内」(2023年6月28日、PDF)、同ニュースリリース、2021年6月16日の改定のご案内(PDF)、2025年度 火災保険・地震保険の概況(PDF)(2026年10月25日確認)
試算例。改定率を仮に年間10万円へ当てはめる
次の表は、改定前の年間保険料を10万円と仮定し、前の節の改定率をそのまま掛けた計算です。10万円は、割合を金額で見るための仮定であり、機構が公表した平均保険料ではありません。実際の保険料は、純保険料に付加保険料を加えたものであり、保険会社が参考純率と同じ割合で改定するとは限りません。
| 当てはめた改定率 | 資料上の条件 | 仮定の改定後 | 仮定の差額 |
|---|---|---|---|
| 全国平均 +13.0% | すべての契約条件の平均 | 113,000円 | +13,000円 |
| 東京・M構造 +10.4% | 水準改定のみ。建物2,000万円・家財1,000万円・築10年以上 | 110,400円 | +10,400円 |
| 東京・M構造 +4.3% | 同上。水災細分化後の下限 | 104,300円 | +4,300円 |
| 東京・M構造 +20.2% | 同上。水災細分化後の上限 | 120,200円 | +20,200円 |
| 東京・H構造 ▲1.3% | 築10年以上。水災細分化後の下限 | 98,700円 | ▲1,300円 |
| 宮崎・M構造 +29.9% | 水災細分化後の上限側の例 | 129,900円 | +29,900円 |
同じ「東京・築10年以上」でも、M構造の上限を当てはめた120,200円と、H構造の下限を当てはめた98,700円では、仮定の差額が21,500円あります。自分の契約がどの行に近いかは、証券の構造級別と所在地を見て、見積もりで確認します。
水災の細分化だけを取り出した場合の較差も、機構の別紙に数字があります。いずれも、火災・風災・雪災・水災などを合計した保険料全体の、参考純率上の話です。細分化しなかった場合より、1等地は平均で約6%低く、5等地は平均で約9%高くなります。最も高い地域は、最も安い地域の約1.2倍です。約1.2倍は、1等地の平均と5等地の平均を掛けた結果ではなく、最高と最低の差です。激変緩和の措置があり、実際の商品の較差とは異なる、と注記されています。
細分化しなかった場合の保険料を、やはり10万円と仮定すると、1等地の平均は約94,000円、5等地の平均は約109,000円です。水災保険料の部分だけを見ると、機構の水災等地検索の説明では、5等地は1等地の約1.5倍です。保険料全体の約1.2倍とは、見ている範囲が違います。
出典:損害保険料率算出機構「水災料率の細分化」(2023年6月、別紙PDF)、水災等地検索(2026年10月25日確認)
水災を外す前に、ハザードマップと水災等地を見る
水災補償は、すべての火災保険に最初から付いているわけではありません。付帯率(年度末に有効な契約のうち、水災を補償している契約の割合)は下がっています。機構が2025年11月28日に公表した2024年度の全国計は61.8%です。集計は会員保険会社の住宅物件(専用住宅と収容家財など)で、各種共済と少額短期保険は含みません。
都道府県別のPDFから、2020年度と2024年度を抜き出すと次のとおりです。2024年度の表のなかで、最も低いのは奈良県の54.0%、最も高いのは徳島県の77.1%です。
| 地域 | 2020年度 | 2024年度 |
|---|---|---|
| 全国計 | 66.6% | 61.8% |
| 東京都 | 62.7% | 57.1% |
| 大阪府 | 62.1% | 57.9% |
| 奈良県 | 59.6% | 54.0% |
| 徳島県 | 79.8% | 77.1% |
機構は、水災を外す人が増えると、残った契約の水災保険料が上がり、補償を付けにくくなる人が出る可能性を、細分化の背景として説明しています。外すこと自体を禁止しているわけではありません。外す前に、次の2種類の情報は別物だ、という点を確認します。
| 確認するもの | 何が分かるか | 公式の入り口 |
|---|---|---|
| ハザードマップ | 洪水の浸水想定、内水(雨水出水)、高潮、土砂災害警戒区域など。地図上の範囲と深さが中心 | 国土交通省 ハザードマップポータルサイト |
| 水災等地 | 参考純率上の水災リスクを、市区町村ごとに1等地から5等地で区分した保険料のグループ | 水災等地検索 |
機構の別紙は、水災リスクを外水氾濫、内水氾濫、土砂災害などに分け、国土交通省の水害統計(2011〜2020年の合計)から、被害額の約56.2%が外水氾濫、約43.8%がそれ以外だとしています。外水のハザードマップだけで「川から遠いから水災は不要」と決めると、内水や土砂が見えません。
水災等地は、これらの水災リスク全体で評価しているため、洪水ハザードマップと必ずしも一致しません。1等地は「他の市区町村より相対的に低い」という意味で、リスクがないわけではありません。どの等地でも水害は発生している、と検索ページは説明しています。マンションのように高さがある建物でも、排水管の逆流などの被害があり、川から離れていても土砂災害の被害がある、とも別紙に書かれています。等地は2023年6月21日届出に基づくもので、基礎データの更新に応じて見直されます。保険会社の等地の扱いが参考純率と違う場合もあります。
床上浸水という言葉も、商品の支払条件を読むときに出てきます。協会は、火災保険における床上浸水を「畳敷や板張など居住の用に供する部分の床(土間、たたきの類を除く)を超える浸水」と定義しています。何センチ浸かれば支払うか、損害の何割以上が条件かは、商品の約款で確認します。
出典:損害保険料率算出機構「火災保険 水災補償付帯率(2024年度)」ニュース、都道府県別PDF、水災料率の細分化(別紙PDF)、日本損害保険協会「問51」(2026年10月25日確認)
保険期間と支払方法。総額が変わるのはどこか
日本損害保険協会は、保険料の支払いは保険期間1年の一時払いが基本で、3年や5年などの長期契約や、分割払いもあると説明しています。長期契約は、1年ごとに払う場合より保険料の総額が安くなります。分割払いは、一時払いより総額が高くなる場合があります。長期を何年にできるか、長期で何%安くなるかは、火災保険の参考純率の資料には一律の係数として載っていません。地震保険の長期係数(2年1.90、5年4.70など)を、火災保険の割引として流用することはできません。地震保険側の係数は地震保険の記事で試算しています。
支払いの経路として、協会はクレジットカード、勤務先の給与天引き、コンビニエンスストアでの支払いが可能な場合もあるとしています。口座振替の特約では、払込期日の属する月の翌月末までに払い込めば、払込前の事故も支払対象になる、といった猶予を設ける例があると説明しています。猶予の長さは保険会社ごとに違います。
一例として、損保ジャパンの個人用火災総合保険(重要事項等説明書、2025年9月改定)の主な支払方法は次のとおりです。この商品の数字であり、他社に同じ割増があるとは限りません。契約内容によって選べない方法もあります。
| 支払方法 | 払込 | 説明書の割増 |
|---|---|---|
| 口座振替 | 一括 | なし(表の表記は「―」) |
| 口座振替 | 分割 | 5% |
| クレジットカード | 一括 | なし |
| クレジットカード | 分割 | 3%(地震保険は5%) |
| 請求書(銀行振込) | 一括 | なし |
| 請求書(銀行振込) | 分割 | 5% |
| 払込票(ゆうちょ銀行、コンビニ、ペイジーなど) | 一括 | なし |
長期の年払・月払を選んだ場合は、長期分割割引が適用されることがある、と注記されています。割引率は説明書に数値がありません。そのため、次の試算は、上の割増だけを一括払10万円に掛けた例です。長期割引が付く契約では、実際の総額はこの表より小さくなることがあります。10万円は仮定です。
| 条件(この商品の割増を、一括10万円に適用) | 割増後の総額 | 一括との差 |
|---|---|---|
| 口座振替または請求書の分割(5%) | 105,000円 | +5,000円 |
| クレジットカードの分割(3%。火災保険部分) | 103,000円 | +3,000円 |
| 一括(口座振替・クレジット・請求書・払込票) | 100,000円 | 0円 |
同じ説明書では、保険期間は1年が基本で、1年未満の短期と1年超の長期も選べます。1年を超える契約は、申込み後、申込日または説明書の受領日のいずれか遅い日から8日以内ならクーリングオフを申し出られます。保険期間が1年以内の契約は、クーリングオフの対象外です。所定の条件を満たす1〜5年の整数年契約には、安心更新サポート特約が自動で付く、とも書かれています。更新したくない場合は、通知の締切までに申し出ます。自動で続く契約は、満期日と補償内容を更新前に見ておきます。
自己負担額(免責)も、この商品では0円、1万円、3万円、5万円、10万円から選ぶ欄があります。契約内容によって選べない金額があり、事故の区分によっては、選んだ額より高い自己負担が適用される場合があります。自己負担を上げたときに保険料がいくら下がるかは、説明書に一律の金額がないため、見積もりで比べます。
出典:日本損害保険協会「保険料の支払方法は?」、損保ジャパン「個人用火災保険 重要事項等説明書(2025年9月改定)」(PDF)(2026年10月25日確認)
火災保険料そのものは、原則として所得控除の対象外
国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在法令等)は、平成18年の税制改正で、平成19年分から損害保険料控除が廃止されたと説明しています。地震保険料控除の対象は、地震等の損害をてん補する部分の保険料または掛金です。通常の火災保険料は、この控除の計算に入りません。控除額の上限(所得税は最高5万円)や、年末調整での証明書の出し方は地震保険の保険料で試算しています。生命保険料控除とは別の制度です。計算の区分は生命保険料控除の計算を参照してください。
例外は、経過措置の旧長期損害保険料です。次の3つをすべて満たす契約に限り、地震保険料控除の枠で計算できます。
- 平成18年12月31日までに締結した契約(保険期間または共済期間の始期が平成19年1月1日以後のものは除く)
- 満期返戻金などがあり、保険期間または共済期間が10年以上
- 平成19年1月1日以後に、その契約を変更していない
所得税では、旧長期損害保険料だけの場合、年間の支払保険料が1万円以下なら全額、1万円超2万円以下なら支払額の2分の1に5,000円を足した額、2万円超なら15,000円が控除額です。地震保険料と両方ある場合の合計の上限は5万円です。いま新規で入る火災保険は、この3条件を満たしません。該当しそうな古い契約がある場合は、保険会社の控除証明書の区分で確認します。
出典:国税庁「No.1145 地震保険料控除」(2026年10月25日確認)
見直しのときのチェックリスト
- 証券の補償欄で、火災・風災・水災・盗難・水濡れ・破損のどれが対象かを確認したか。水災がない契約は、洪水で建物が流失しても火災保険は失効し、保険金は出ない、と協会は例示しています
- 保険の対象が建物のみか、家財も含むか。賃貸なら家財を自分で契約しているか
- 構造級別(M・T・H)が、建築確認や仕様書と合っているか
- 保険金額が再調達価額の水準か。土地代を含めていないか。増改築のあと見直したか
- 水災を外すか残すかを、ハザードマップ(洪水・内水・高潮・土砂)と水災等地の両方で見たか。1等地でも水害は起き得る
- 自己負担額をいくらにしているか。見積もりで金額差を確認したか
- 個人賠償責任など、自動車保険の特約と重複していないか。重複の棚卸しは自動車保険の見直しとあわせると比較しやすい
- 保険期間が1年か長期か。支払いは一括か分割か。分割の割増と、長期にしたときの総額を、同じ補償で見積もったか
- 地震保険を付けるか。付ける場合の保険料・割引・控除は火災保険とは別計算
- 自動更新になっている場合、満期の前に補償と保険料を見る日程を決めたか
修理費や臨時の生活費を貯蓄でどこまで出せるかは、補償を外すかどうかの判断に影響します。手元に残す金額の考え方は生活防衛資金の試算で整理しています。
まとめ
火災保険の保険料は、構造・所在地・補償内容・保険金額・保険期間・支払方法で決まります。参考になる公的な割合として確認できるのは、2023年6月届出の参考純率の全国平均+13.0%、水災細分化後の都道府県別の改定率の幅、保険料全体で約1.2倍(1等地は平均約6%安く、5等地は平均約9%高い)、水災保険料の部分では5等地が1等地の約1.5倍、という水準です。契約者の請求額は、保険会社が付加保険料を含めて決めるため、これらの割合がそのまま値上げ率や値下げ率になるわけではありません。
水災を外して保険料を下げる場合は、洪水の地図だけでなく内水と土砂、そして市区町村の水災等地を見てからにします。支払方法は、一例では分割に3%または5%の割増がある商品がありました。長期契約の総額が1年更新より安くなる、という協会の説明はありますが、火災保険共通の長期係数は公表資料から一つの数字にはできません。見積もりを同じ補償で並べるのが確実です。
家計全体での進め方は固定費の見直し順も参照してください。この記事は、契約内容を確認するための情報の整理であり、特定の保険会社や補償の組み合わせを勧めるものではありません。個別の保険料と支払条件は、契約している損害保険会社または代理店の見積もりと約款で確認できます。
よくある質問
火災保険の保険料は何で変わりますか
構造、所在地、補償内容、保険金額、保険期間、支払方法です。地震の損害は火災保険では補償されず、別契約です。
水災を外す前に何を見ますか
ハザードマップと水災等地です。水災がない契約は、洪水で建物が流失しても火災保険は失効し保険金は出ない、という例が記事にあります。
火災保険料は所得控除に入りますか
通常の火災保険料は地震保険料控除の計算に入りません。平成19年分から損害保険料控除は廃止されています。