新NISAはいくらから始める?生活防衛資金のあと
新NISAをいくらから始めるかは、生活防衛資金を確保したあとで考えます。NISAは、投資の利益にかかる税金を、決められた範囲で非課税にする制度です。家計の節約そのものではなく、支出を見直したあとに残るお金の置き方の一つです。この記事では、枠の金額と、余裕資金がその枠の何割に当たるかを計算します。どの商品が上がるかは書きません。元本が保証される制度でもありません。
新NISAの前に、生活防衛資金を置く
病気や失業で収入が止まっても、家賃や保険料は続きます。その月数分を預金などで持っているかは、生活防衛資金の試算で、公的給付の待ち時間とあわせて試算しています。生活費の支払いを投資の売却で賄う家計では、NISAの非課税より先に、値動きのないお金の不足を埋めます。
固定費を下げると、毎月残る額が増え、必要な生活防衛資金の月数も小さくなります。順番の全体は固定費の見直し順です。iDeCoは、原則として60歳まで引き出せない掛金の制度で、NISAとは別です。2026年12月からの上限はiDeCoの掛金上限に置いています。引き出せない掛金を、生活防衛資金の代わりにはしません。
新NISAの年間枠は、つみたて120万円と成長240万円
金融庁のNISA特設サイトと、国税庁のタックスアンサー(No.1535、令和8年4月1日現在法令等)で、次の数字は一致していました。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 非課税保有限度額 | 合計1,800万円(成長投資枠はそのうち1,200万円まで) | 同左 |
| 併用 | できる。年間の合計は最大360万円 | 同左 |
360万円は 120万円 + 240万円です。1,800万円のうち成長投資枠が1,200万円までなので、残りは 1,800万円 − 1,200万円 = 600万円が、つみたて投資枠でしか埋められない計算になります。つみたて投資枠自体の生涯上限が600万円という別枠ではありません。合計1,800万円の内訳の話です。
金融庁は、売却すると翌年以降、売った商品の簿価(取得金額)の分だけ非課税保有限度額が戻り、再利用できる、としています。戻った分が、その年の年間投資枠に上乗せされるわけではありません。2023年までに旧制度で買った分は、1,800万円の外枠です。
国税庁は、非課税口座の損失はなかったものとみなされ、特定口座や一般口座の利益と損益通算も繰越控除もできない、としています。下がった年に、課税口座の利益と相殺して税を減らす使い方はできません。
非課税になる配当などは、その金融機関を経由して交付されるものに限られ、発行者から直接受け取るものは課税、ともされています。
出典:金融庁「NISAを知る」、国税庁「No.1535 NISA制度」(2026年11月2日確認)
新NISAのつみたて投資枠は、月2万円では2割
次の世帯は仮定です。生活防衛資金は足りていて、毎月の黒字のうち2万円を、引き出せなくても困らないお金として分けられる、とします。投資の利回りは置きません。
| 計算 | 式 | 結果 |
|---|---|---|
| 年額 | 20,000円 × 12 | 240,000円 |
| つみたて投資枠(年120万円)に対する割合 | 240,000 ÷ 1,200,000 | 0.2(2割) |
| 枠を満額にする月額 | 1,200,000 ÷ 12 | 100,000円 |
| この世帯が枠の満額に足りない月額 | 100,000円 − 20,000円 | 80,000円 |
| つみたてと成長の合計(年360万円)に対する割合 | 240,000 ÷ 3,600,000 | 0.0666...(約6.7%) |
検算: 20,000円 × 12 = 240,000円。240,000円 × 5 = 1,200,000円なので、つみたて投資枠のちょうど5分の1です。成長投資枠の240万円と同じ240,000円ですが、単位が違います。月2万円の年額は24万円で、成長投資枠の年240万円の10分の1です(240,000 ÷ 2,400,000 = 0.1)。
この世帯が成長投資枠を同時に満額まで使う必要はありません。枠は上限であって、目標額ではありません。月3万円に増えた場合は 30,000円 × 12 = 360,000円で、つみたて投資枠の 360,000 ÷ 1,200,000 = 0.3です。まだ成長投資枠を使わなくても、年間投資枠の中に収まります。
新NISAの非課税は、利益5万円の税額の例
金融庁は、通常の投資では売却益や配当に約20%の税金がかかり、NISA口座の利益は非課税になる、としています。「約20%」なので、ここでの計算も20%で揃えます。復興特別所得税を含む端数の税率は、この記事では置きません。
仮に、取得金額に対して譲渡益が50,000円出たとすると、約20%は 50,000円 × 0.20 = 10,000円です。NISAの非課税がこの利益に適用されるなら、この10,000円は課税されない、という規則の例です。50,000円の利益が出るとは書いていません。元本が50,000円減る年もあります。減った金額は、前の段落のとおり他の口座の利益と通算できません。
非課税で戻るのは利益にかかる税であって、支出の節約ではありません。月2万円をNISAに回しても、家計の支出は減りません。支出を減らす計算は、固定費と食費の記事側です。
新NISAは2027年から、0歳もつみたて投資枠だけ
金融庁の同じページは、2027年1月からつみたて投資枠の年齢要件が撤廃され、0歳から17歳も口座を開ける、としています。未成年が使えるのはつみたて投資枠だけで、成長投資枠は使えません。年間投資枠は60万円、非課税保有限度額は600万円です。金融機関の変更はできません。払出しは、災害などの場合を除き、12歳以降に一定の要件を満たすときで、資金の使途が子のためであり、子が同意した書面と、親権者などの申し出が必要、とされています。18歳以上は、口座開設年の1月1日時点で18歳以上の居住者で、口座は1人1口座、金融機関の変更は年単位、とも書かれています。
子どもの口座を、家計の黒字の置き場にするかどうかは、払出しの制限と、上の生活防衛資金の有無で分けます。60万円は月額にすると 600,000円 ÷ 12 = 50,000円です。月2万円の世帯では、成人の枠と同じく、上限まで出す前提にはしません。
口座を開く手続きの画面は、金融庁の「NISAを利用するには」と、各金融機関の案内を見てください。このサイトではクリック順を書きません。年末調整、医療費控除、ふるさと納税の申告手順は、てつづきナビの年末調整、医療費控除、ワンストップ特例にあります。同じ年に確定申告が必要になるかの整理はふるさと納税の控除です。
よくある質問
年間360万円まで投資しないと損か
損得の話ではありません。360万円は、つみたて投資枠と成長投資枠を併用したときの年間の上限です。月2万円の家計では年24万円で、上限の約6.7%です。上限まで埋めるお金を、生活費を削って作る計算はこの記事ではしません。
生活防衛資金が足りないまま始めてよいか
この記事の順番では、始めません。値下がりしたときに売却すると、非課税の利益は出ず、損失は他の口座と通算できません。先に預金側の不足を確認します。
NISAをすれば税金の還付が増えるか
NISAは、口座内の利益を非課税にする制度です。年末調整の控除とは別です。控除の変更は年末調整の試算を見てください。
旧NISAの残高は1,800万円に含まれるか
金融庁の説明では、2023年までに投資した分は、2024年からの非課税保有限度額の外枠で管理されます。1,800万円から旧残高を引く必要はありません。