暖房費はいくら抑えられる?設定温度と器具の差

光熱費 公開日 / 執筆 トムシ

暖房費がいくら抑えられるかは、設定温度、使う時間、熱の逃げにくさに、自分の単価をかけて見ます。器具ごとの消費電力量の横並びは、料金くらべラボの暖房器具に任せ、この記事では公表されている省エネ量を金額に直します。我慢を勧める記事ではありません。体調や住まいに合わせて、できる範囲で取り入れてください。

暖房費を左右する3つの要素

暖房のエネルギー消費は、おおむね次の3つで決まります。

  1. 設定温度(室温と外気の差が大きいほど消費が増える)
  2. 使う時間・範囲(誰もいない部屋や時間帯を暖めていないか)
  3. 熱の逃げにくさ(窓・床から熱が逃げると、同じ設定でも余計に動く)

東京都の「家庭の省エネハンドブック」では、冬の暖房時に住まいから熱が出ていく割合は窓・ドアが58%と示されています。厚手で床まで届くカーテンや、断熱マットの活用が勧められているのはこのためです。

出典:東京都環境局「家庭の省エネハンドブック2025」(PDF)(2026年10月確認)

比較表:暖房器具別の省エネ効果(年間の目安)

同ハンドブックの数値(暖房期間169日、電気33.9円/kWh・都市ガス196.8円/m³・灯油125.5円/Lで換算)をまとめました。

器具工夫省エネ量(年間)金額の目安
エアコン設定温度を21℃→20℃に53.1kWh約1,800円
エアコン使用時間を1日1時間短縮40.7kWh約1,380円
ガスファンヒーター設定温度を控えめに8.2m³約1,610円
ガスファンヒーター使用時間を1日1時間短縮12.7m³約2,500円
石油ファンヒーター設定温度を控えめに10.2L約1,280円
石油ファンヒーター使用時間を1日1時間短縮15.9L約2,000円
電気カーペット3畳用→2畳用(広さに合わせる)89.9kWh約3,050円
電気カーペット温度設定を「強」→「中」に186.0kWh約6,310円
こたつ上掛けと敷布団を併用32.5kWh約1,100円
こたつ温度設定を低めに49.0kWh約1,660円

エアコンの条件は、外気温6℃・2.2kW機・1日9時間使用です。資源エネルギー庁の省エネ型製品情報サイトにも同じ条件の数値(53.08kWh・40.73kWh)が掲載されており、あわせてフィルターを月に1〜2回掃除すると、目詰まりした状態と比べて年間31.95kWhの省エネになると示されています。

出典:東京都環境局「家庭の省エネハンドブック2025」(PDF)、資源エネルギー庁 省エネ型製品情報サイト「省エネ家電の上手な使い方・選び方 エアコン」(PDF)(2026年10月確認)

試算例:いまの単価で計算し直す

表の金額は換算に使った単価が前提です。実際の効果は「省エネ量 × 自分の単価」で計算し直しましょう。

灯油の場合

資源エネルギー庁の石油製品価格調査では、2026年10月5日調査の灯油店頭価格(全国平均)は18Lあたり2,553円(1Lあたり約141.8円)、配達は18Lあたり2,737円でした。北海道は店頭2,745円です。

工夫(石油ファンヒーター)省エネ量125.5円/L(表の前提)141.8円/L(全国店頭)
設定温度を控えめに10.2L約1,280円約1,450円
1日1時間短縮15.9L約2,000円約2,260円

単価が上がるほど、同じ工夫の金額効果は大きくなります。価格は毎週更新されるため、最新の数字を確認してください。

出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査 調査の結果」(2026年10月7日公表分を確認)

エアコン+こたつの家庭(仮の組み合わせ)

エアコンの設定温度を1℃下げ(53.1kWh)、使用を1日1時間短縮(40.7kWh)し、こたつに上掛けと敷布団を併用(32.5kWh)して設定を低め(49.0kWh)にした場合、単純合計は175.3kWhです。33.9円/kWhなら約5,940円になります。

実際には工夫同士の効果が重なるため、単純合計より小さくなることがあります。自宅の電気料金単価は検針票やマイページで確認できます。見方は電気代の見直しでいくら残る?再エネ賦課金の式で解説しています。

暖房費を抑えるチェックリスト

  1. エアコンの設定温度は20℃を目安に、体調に合わせて調整している
  2. フィルターを月に1〜2回掃除し、室外機の吹出口をふさいでいない
  3. 暖房の風向きを下向きにし、サーキュレーターや扇風機で空気を循環させている
  4. 厚手で床まで届くカーテンを使い、窓からの冷気を防いでいる
  5. 電気カーペットは使う人数・広さに合ったサイズを選び、温度設定は「中」を基本にしている
  6. カーペットやこたつの下に断熱マットを敷いている
  7. こたつは上掛けと敷布団を併用し、温度設定を低めにしている
  8. ファンヒーターやストーブ使用時は、取扱説明書に沿って定期的に換気している
  9. 灯油・ガス・電気の単価を確認し、自宅の数字で試算した

無理のない範囲で続けるために

資源エネルギー庁のエアコンの資料では、「健康を第一に、温度は柔軟に設定」することが前提とされています。寒さを我慢しすぎると体調を崩すおそれもあるため、室温を下げすぎないようにしましょう。

使い方の工夫は毎冬効く一方、契約の見直しは一度で効果が続きます。両方を組み合わせると家計への効果が大きくなります。家計全体の整え方は固定費の見直し順、急な出費への備えは生活防衛資金の試算も参考にしてください。ガスと水道の使い方はお風呂のガス代・水道代、請求の平均と漏水は水道代は平均いくら?漏水と基本料金の見方です。

まとめ

  • 暖房費は「設定温度」「使う時間・範囲」「熱を逃がさない工夫」で差がつく
  • 冬に住まいから逃げる熱は窓・ドアからが約58%(東京都)
  • エアコンは設定温度1℃で年間53.1kWh、1日1時間短縮で40.7kWhの省エネ(公表データ)
  • 電気カーペットは広さと温度設定、こたつは上掛け・敷布団の併用が効く
  • 金額は「省エネ量×自宅の単価」で計算し直し、灯油は最新の価格調査で確認する

数値はいずれも一定条件での目安で、住宅の断熱性能・地域・機器によって変わります。機器の使い方は、お使いの製品の取扱説明書も確認してください。

よくある質問

暖房費は何で変わりますか

設定温度、使う時間と範囲、熱の逃げにくさの3つです。東京都の資料では、冬に住まいから熱が出ていく割合は窓・ドアが58%とされています。

節約額はどう計算し直しますか

公表データの金額は、換算に使った単価が前提です。省エネ量に自分の単価を掛けて計算し直します。

設定温度は下げればよいですか

資源エネルギー庁の資料では、健康を第一に、温度は柔軟に設定することが前提です。寒さを我慢しすぎない、という注意も記事にあります。

本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の商品・サービスの購入や投資を勧めるものではありません。制度や料金は変更されることがあるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。